自分を知ることは自己コントロールへの第一歩。何かを変えようと思ったら、まずは現状をありのままに見つめる必要がある。自己認識などわけがないと思うかもしれないが、心理学者なら知っているとおり、私たちはほとんどの選択を無意識に行っており、なぜそうするのかという理由などろくに認識してもいなければ、どういう結果を招くかなど考えもしない。

 

 

「やる力」　　：面倒だなと思いながらも自分のやるべきことをやる力
「やらない力」：健康を害し幸福や成功の邪魔になることをやめる又はやらない力
「望む力」　　：もっとも重要で長期的な目標や自制心を発揮するための大事なモチベーション。なぜそれをするのか、の理由をおもいだすことで自制心を高める（＝目標に少しでも近づくためのチャンスを見逃さず、目標の達成へ向けて行動できる）ことができる力。
「意志力」　　：3つの力を駆使して目標を達成する能力またはトラブルを回避する能力。意志力を強くするために脳を鍛える方法がある。意志力強化は筋トレと同じ。意志力の最大の敵は誘惑・自己批判・ストレス

 

 

瞑想は脳に変化をもたらす。呼吸に意識を集中するのは、簡単ながら実に効果的な瞑想のテクニック。5分間の瞑想は脳を鍛え、意志力を強化するのに最適な方法。意志力をテキメンに高める方法、それは呼吸のペースを1分間に4回から6回までに抑えること。瞑想と同様にエクササイズも脳を鍛える。意志力を鍛えることができる。まずは5分間、外に出る。ウォーキングする、散歩する、ジョギングする、庭先で仕事をしてみる、新鮮な空気を吸いに外へ出て簡単なストレッチをする、など。そして6時間以上の睡眠をとる。

 

 

10分ルール。脳を落ち着かせて賢明な判断をさせるためのルール。10分経てばやめてもよい。がんばって10分つづけたらやめてもよい。どんな誘惑にもまずは10分待ってみる。10分たっても欲しければ手に入れてもよい。

 

 

様々な長所と比較しても意志力に勝るものはない。出世も勉強も寿命も「意志力」が決める。学業は知力よりも意志力、優れたリーダーシップもカリスマ性より意志力、結婚がうまくいくかどうかは、思いやりより意志力にかかっている。

 

 

心構え次第で結果は変わる。「目標達成に向けて自分でどれくらい進歩したと思うか？」→「よくがんばった。さあ、ほんとにやりたいことをやっていいぞ」と以降目標達成を遠ざける行動をする確率が高くなる傾向があるのに対し、「目標を達成するために、どのくらい真剣に努力しているか？」→「自分が望んでいることだからがんばったんだ」。心構えが異なる質問で自分の行動についての解釈の仕方が大きく変わる。意志力が強いと思っている人ほど、人は「後で取り返せる」「明日はちゃんとできる＝先延ばしにしても簡単にできる」と思いがち。

 

 

米国心理学会の提案する最も効果的なストレス解消法として、❶エクササイズやスポーツをする❷礼拝に出席する❸読書や音楽を楽しむ❹家族や友達と過ごす❺マッサージを受ける❻外へ出て散歩する❼瞑想やヨガを行う❽クリエイティブな趣味の時間を過ごすなど。最も効果の低い方法は①ギャンブル②タバコ・お酒・やけ食い③テレビゲーム④インターネット⑤テレビや映画を2時間以上観るなど。

 

 

自己批判はモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招く。また自己批判はうつ病の最大の予兆であり、うつ状態では「やる気」や「望む力」が失われてしまう。これに対し自分への思いやり（＝自分を励まし、自分にやさしくすること）はやる気の向上や自制心の強化につながる。研究の結果罪悪感を抱くよりも自分を許す方が責任感が増し、失敗したことは自分の責任だったと認めやすくなり、他人の意見やアドバイスに耳を貸せるようになった。自分を許すことにより苦しみにさいなまれることなく、事実をありのままに見つめられるようになる。

 

 

研究によればダイエットを始めようと決心しただけで計画をたてただけで気分が高揚したりするほど。変わろうと思うだけで満足してしまう、決心するだけを楽しんでしまう。変わろうという決心は目先の欲求を満足させるには効果的。自分はきっと変われるという希望を持つべきだ。その上で決意を持続させるためのシミュレーション、研究によれば自分がいつどんな風に誘惑に負け、言い訳をし、誓いを破ってしまうかを予測することによって決意を持続できる確率が高くなるとのこと。自分の決意を守るためにどんな行動を取ればよいか具体的に考える。頭の中ではっきりと思い描く。うまくいった様子を想像しよう。成功した姿を思い描くことで目標を達成するために必要なことを着実にやっていく自信が生まれる。